2014年5月2日金曜日

韓国の威信、地におちる-(17):韓国沈没事故と東日本大震災の共通点とは?

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レコードチャイナ 配信日時:2014年5月1日 22時40分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=87478&type=0

韓国沈没事故と東日本大震災の共通点とは?―中国メディア


●5月1日、韓国・珍島沖で発生した旅客船「セウォル」号沈没事故では、船が大きく傾いているにもかかわらず、救命胴着を着た学生らが、「その場を動かないように」という船内放送に従った。資料写真。

 2014年5月1日、韓国・珍島沖で発生した旅客船「セウォル」号沈没事故では、船が大きく傾いているにもかかわらず、救命胴着を着た学生らが、
 「その場を動かないように」
という船内放送に従って、船内にとどまる様子に、多くの人が
 「なぜ外に出て、海に飛び込まないのか」
と驚きと苛立ちを隠せない。
 大人の指示に従った学生らは最後まで船内にとどまり、脱出の機会を逃してしまった。
 北京青年報が報じた。

 災害や事故が発生すると、さまざまな判断を下すための時間は往々にして数分、ひいては数秒しか残されていないことがある。そ
 してその判断が、生死さえ分けてしまう。

 日本の小中学校では毎年、地震に備える防災訓練が3~4回実施される。
 その訓練では、教師らが、
 「先生の指示に従いなさい」
と生徒に教えてきた。
 そのため、生徒らも指示に従うことに慣れ、考える前に行動することが習慣になっている。
 しかし、2011年3月11日に東日本大震災が発生して以降は、
 教師が現場におらず、生徒が自分でどのように行動するかを判断する訓練が増えた。

 当時、宮城県石巻市大川小学校の教師は、生徒を裏山の高台ではなく、校庭に集合させていた。
 そして教師と住民との間で2次避難先の話し合いをしたため、避難に手間取り、結局地震から避難開始まで約40分かかり、避難のための貴重な時間を無駄にしてしまった。
 結果、生徒74人と教職員10人が、避難の途中に襲ってきた津波に呑み込まれ、犠牲になった。

 この状況と、今回の「セウォル」号沈没事故では、一方は校庭で、もう一方は船内で、いずれも生徒が「待っていた」という類似点がある。
 そして、本来は残されていた避難のための時間が、指示に従ったために奪われてしまった点も同じだ。

 大川小学校とは対照的だったのは岩手県釜石市市立東中学校だ。
 海からわずか500m足らずの近距離に位置しているにもかかわらず、同中学校と鵜住居(うのすまい)小学校の児童・生徒、約570人は全員、押し寄せる津波から生き延び、「釜石の奇跡」と言われている。
 同中学校は、
 「自分の命は自分で守る」
という考えを防災教育で生徒らに徹底して教えている。
 災害がやって来た時は避難を優先する訓練を徹底し、緊急時に一緒にいない家族の事を考える必要はなく、まず自分の安全を確保するようにと生徒に教えているのだ。

 例えば、ただ避難するだけではなく、訓練の中に様々なアクシデントを盛り込んで、生徒が自分で考え判断して行動できるようにしている。
 わざとケガ人を作って、保健室に待機させ、警報が鳴り、点呼時に生徒が一人足りない時に、生徒らがどのような行動を取るか観察したりしているのだ。
 そして、その行動に反省点があれば、教師らはすぐに指示ではなく、アドバイスを送る。

 また09年には、「EAST‐レスキュー」という全校防災学習を発足した。
 East=東中生、Assist=手助け、Study=学習する、Tsunami=津波から取った言葉だ。
 同活動では、道路を挟んで真向いに隣接する鵜住居小学校と合同避難訓練を実施し、高学年の生徒が低学年の生徒を助けたり、負傷した生徒を助けたりする方法を教えている。
 そして、「ぼうさい大賞」に輝いた同県宮古市の県立宮古工業高校生徒を招き、自作の津波浸水模型を使って津波がどう押し寄せるかを実演してもらったりもしている。ある生徒は、
 「津波の怖さをあらためて知った。
 そして、どう行動するかを考え、実行しなければならないと強く思った」
と感想を述べている。

 死者・行方不明者が1000人を超えた釜石市において、放課後で指示を聞くことができなかった小中学生が、自己の判断に基づいて避難し、一人の犠牲者も出すことがなかったのは、正に「奇跡」だ。
 これらの生徒は、「セウォル」号沈没事故において、船内放送が聞こえなかったため、自分の判断や直感を頼りに、避難し救出された生徒と似ている。
 このような自主能力は、命を守るための「本能」だけでなく、「教育」により身に付くものだ。

 従うことしかできない子供が大人になればロボットのようになってしまいかねない。
 東日本大震災が発生した3月11日午後2時46分、宮城県東松島市のJR仙石線「野蒜(のびる)駅」を出発した上下2本の電車があった。
 共に一時行方不明と報じられたが、下り電車は丘の上で停止、地元住民のアドバイスに従って乗客は車内にとどまり無事だった。
 一方、上り電車はJR東日本の内規に従って誘導された指定避難所が津波に襲われ、数人が命を落とした。
 規定は人が制定しているもので、単にマニュアル通りに物事を進めるやり方では、規定が束縛に変わってしまう。
 単に従うだけの子供達が大人になれば、内規に従って乗客を誘導した車掌のようになってしまうのだ。

 (文:田芳(ティエン・ファン)。二松學舍大学中国文学科の修士課程を修了。現在は博士課程在学中。1997年より日本に定住し、教育や翻訳など中日文化交流事業にも携わっている。)

(提供/人民網日本語版・翻訳/KN・編集/武藤)



JB Press 2014.05.14(水)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40663

セウォル号事件を引き起こした韓国社会の病巣
反日で日本を拒絶するより、社会改革に生かすことが先決

 4月16日、乗客乗員476人を乗せた韓国のセウォル号が横転し、沈没までには2時間半があったにもかかわらず174人しか救出されない大惨事が起きた。
 他人事と思えず、「何で、何で」と繰り返し、自問する以外になかった。


●沈没する旅客船セウォル号〔AFPBB News〕

 報道などからは乗員の操船や乗客誘導・避難の不適切、船長の責任感のなさ、運航会社の安全教育軽視や過重積載の慢性化、設計変更に伴う重心移動対処問題、さらには政治家を含む関係者の事故対処などが指摘されている。

 いずれも事故が発生するたびに指摘されてきたことである。
 しかし、歴代大統領の力をもってしても排除できなかった陋習で、
 こうした負の遺産を除去するには社会意識革命ともいうべきものが必要である。

 筆者は4月10日の拙論「日本の安全と北東アジアの平和のための論考~朴大統領は、社会改革で韓国の救世主となれ」で、政治改革以前の社会意識改革の必要性を強調したが、なお一層その感を強くする。

■大事故を頻発させる韓国

 ここ20年間を見ただけでも、1994年にはソウル市の聖水大橋が崩落し、32人が犠牲になった。
 3日後には忠清北道の忠州湖で遊覧船が炎上し、30人の死亡・行方不明者を出している。

 翌1995年には地下鉄工事現場でガス爆発が起き、101人が死亡。
 その2カ月後にはソウル市でデパートが崩壊し502人が亡くなった。

 99年には仁川市の雑居ビルで火災が発生し、55人の犠牲者を出す。

 21世紀に入ると、2003年には大邱市の地下鉄で放火火災が発生し190人が死亡した。

 2008年には京畿道利川市の物流センターで爆発事故が起き、40人が犠牲となる。

 翌2009年には釜山市の室内射撃場で火災が発生して15人が死亡した。

 今年に入り、2月には慶州市郊外のリゾート施設で体育館の屋根が崩落し、10人が死亡する。
 続いて今回の全羅南道・珍島沖事故で、302人が死亡・行方不明となっている。

 こうした事故は韓国内で起きているばかりではない。
 1977年に韓国の建設会社がパラオで受注・工事した橋梁(全長約400メートル)は完成直後から中央部が凹み、補修や補強が行われたが基本的な手抜きはいかんともし難く、96年に真っ二つに折れて崩落した。

 本島から空港や発電所などがあるバベルダオル島へ向かう唯一の道路で電気・水道・電話などのライフラインが橋梁内に設置されていたためにすべてが切断された。
 困り果てたパラオの大統領は、請負企業が解散して存在しないために韓国政府に救いを求めたが、「関係ない」と突き放されたという。

 翌1997年、日本の無償援助で鹿島建設が請負い、低品質コンクリートを使用した残存土台は一切活用せずに2002年に完成させ、「日本パラオ友好の橋」と呼ばれているそうである。

■事故に見られる共通点

 修学旅行で乗り込んでいた高校生が多く亡くなった高校は、
 「保護者たちの怒りがあまりに大きく、落ち着いてほしかった」
という思いから、「全員救助された」と嘘の発表をしている。
 何ともやるせない対応である。

 過去にも同様の対応が見られた。
 大韓航空機がソ連の領空を侵犯し撃墜された時、韓国政府は「サハリンに不時着して全員無事」と発表している。
 すぐに分かる嘘も平気でつく韓国なのだ。

 ましてやなかなか判明しがたい歴史問題などではいくら嘘をついてもいいとばかりに、嘘の上塗りをしている。
 韓国の国家体質であり、国民体質と言わざるを得ない。

 こうした事故から、以下のようなことが言えよう。

〇規則を守らない(事故が起きなけなければ規則など関係ないという安易な気持ち)
〇安全教育がされていない(当面の成果のみを期待し手間暇を惜しむ)
〇責任者の意識がない(船長が真っ先に脱出した)
〇管理者が責任ある言動をしない(オーナーなどが適切な処置をしてこなかった)
〇説明がくるくる変わる(被災者に真剣に向き合わない一時逃れをする)
〇報告が改竄される(過重積載などを書き改める)
〇安全性を犠牲にする(利益追求のみで船舶上部に客室を増設した)
〇品質よりも受注優先である(低品質材料の使用で安価に入札・落札する)

 これらは行為に伴う基礎的・技術的事項であり、
 社会規範や社会意識に属することばかりで、
 政治の次元以前のものである。
 また、過去に事故が起きるたびに反省が繰り返されてきたことである。

 朴槿惠大統領は、事故原因と対応の遅れが関係省庁の縦割り主義や業界との癒着体質によるものだとしたうえで、「官僚社会の改革を強力に推進する」と閣議で語ったと言われる。

 官僚社会の改革も然ることながら、
 一般社会に蔓延る李朝時代の旧弊を改めることが先決ではないだろうか。
 例えば金持ちはかつての両班のように労働を嫌い、社会がどんな状態にあろうが一向に構おうとせずに王侯貴族然とした生活をしていると聞く。

 現に、船のオーナーは大変な金持ちで欧州に一村を買い占め豪奢な生活を送っているが、船の管理運行には出し惜しみし、安全教育などには見向きもしなかったように仄聞する。

 上が上ならば下は下で、セウォル号事故では船長や乗員はさっさと船を離れ、しかも救助船に乗り移る直前に作業服を着替えて一般乗客を装い、救助を求めたというに至っては、責任感の欠如では言い表せない殺人犯的行為にも等しい。

 南京事件で中国兵が軍服を脱ぎ、銃を放擲して市民に成りすまして安全区に潜り込んだのと大同小異である。
 中韓は大中華・小中華を任ずるだけあって、嘘をついたり、責任逃れをする点も全く同じである。


【朝鮮日報の記事から】
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 20年前に起こった聖水大橋と三豊デパートの崩壊事故の原因をめぐる社会的な合意は「スピード過剰が招いた過ち」だった。
 (中略)20年前の事故から韓国は何も学ばなかったという米国メディアの指摘を、また「後発近代化の限界と脆弱(ぜいじゃく)性を示す鏡」という中国メディアの指摘を、かみしめざるを得ない。

 何よりもわれわれを当惑させているのは、事故後に見られた常識以下のとんでもない言動だ。
 病室で濡れた紙幣を乾かしていた船長はともかく、行方不明者の家族の前で記念写真を撮ろうとしたり「長官がいらっしゃった」ので礼儀正しくするようにと言ったりする公務員の姿は、韓国人を落胆させた。

 (中略)事故が起こるまでは安全と危機管理能力の問題だが、その後発生している状況は、韓国社会の病状がどれだけ深刻かを示している。
 子供たちの遺体の前でも心が一つにならない。
 20年前の事故では、少なくともこんなことはなかった。
 もし、これが韓国社会の構成員の平均的な姿なのだとしたら、韓国社会に未来はない。

 (中略)今の韓国が、あんな船長や公務員を量産する社会であることは明らか-という思いが、多くの人々を苦しめている。
 だから、集団自虐に陥るのも無理はない。

 (中略)朴槿恵大統領は(4月)21日、「段階ごとに責任あるすべての人について、民事上・刑事上の責任を問うべき」と語った。
 与野党も、今回の事件は人災かつ官災であって、システム改革に乗り出すという方針を立てた。

 学者らは、今回余すところなくあらわになった構造的な問題や社会的病理現象に注目すべきだと語っている。
 災害の専門家らは、国の安全システム全般に対する点検と改善、法と制度の整備を注文している。
 その通りにやればいい。
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 省略した部分も多いが、社会的病理現象に事故要因を結びつけている点は正しい視点と言えよう。
 政治が社会発展を阻害している因習を取り除くのではなく、因習が陋習と化して政治を雁字搦めにして歴代大統領の力量発揮を阻害し、また任を終えた大統領自身を逮捕・裁判するなどを繰り返してきた。陋習変じて悪習となったのである。

■社会の改革に向けて

 大統領が出身地や一族の面倒を見るなど、現代の規範に合わない陋習を排除する社会改革こそが喫緊の必要事であろう。
 父大統領が行ったセマウル(農村を明るくする)運動は、実は日韓併合時代に日本が行った農村振興策であった。

 このように社会改革に努力したのが日本の韓国併合であった。
 それを言い出せば大統領自身も親日の刃を向けられるであろうが、その絶大な権力による民主的な改革以外に道はないであろう。

 韓国はOECD(経済協力開発機構)加盟国でありながら、国民の半数以上が機会に恵まれれば国を棄てて外国へ脱出したいと思い、現に毎年20~50人の人が言論弾圧などに耐えきれず亡命申請している。

 また、売春が主要産業(約26万人の売春婦がいると言われる)の1つになっており、殺人や強姦は日本の10倍前後と驚くばかりである。

 日本を含む多くの国の大学生は「今度生まれてきても、母国に生まれたい」という人が70~80%だそうであるが、韓国の名門高麗大学では51.4%が「今度生まれてくるとしたら韓国に生まれたくない」と答えたそうである(呉善花『虚言と虚飾の国・韓国』)。

 こうしたことの遠因は働くことを一切せず農民などからの搾取で贅沢な暮らしをした両班のような李氏朝鮮に発する陋習が濃く残り、総体的に貧困社会をもたらしているからであろう。
 安全管理を一考もしなかったセウォル号オーナーの一事をもってしてもうなずける。

 李朝19代の粛宗を扱ったテレビドラマ「トンイ」で、
 「人の貴さは身分ではなく、こころ次第」
 「志が尊ければ尊い人になれる」
というフレーズがあり主題になっていた。
 粛宗の実像とはかなり異なった筋立てであるが、今日の韓国にあらまほしき願望が込められたものと言えよう。

 日本は朝鮮・台湾を外国のように植民地と見ず、本国以上にインフラ整備や教育・衛生改革に投資し、識字率の向上や環境の整備を行い、民主化と独立自尊の精神で郷土愛に溢れた国家建設の必要性を植えつけるように努力している。
 その状況は台湾を見れば一目瞭然である。

 台湾も他国による統治は受け入れ難いとしながらも、インフラ整備などによる農村振興や教育・衛生改革などによる社会改革は喜んで受け入れ、今でも
 「日本精神(リッペンセンション)」
として受け継がれている。

 そうした歴史の真実を認めることから社会改革は始まるのではないだろうか。
 「日本はいいこともした」式の発言自体を糾弾し排斥する狭量な社会が、今回の事故に見るような歪な韓国を作っている。

■おわりに

 地震で学校やビルが倒壊し、高速鉄道では列車の追突事故が発生する。
 交通事故の現場にいても人命救助することもしない。
 事故処理は秘密裏に行われるなど、中国も韓国と似たり寄ったりである。

 両国は原子力発電を外資獲得の有力手段として輸出し、また自国の電力源として増加建造を進めている。

 そうしたものの欠陥が20年先、30年先に続出し、偏西風に乗って日本にやってくるかと思うと、両国の安全軽視は等閑視できない「わが事」でもある。

 冒頭紹介の拙論で、朴氏はいろいろな特性を持った唯一の女性大統領であり、目の前の支持率などに拘泥せず、国家百年の計で思い切った「社会改革」をされてはいかがでしょうかと提言した。
 急劇な支持率の低下がみられた今こそ、旧弊になたを振るうチャンスにも思える。

 月刊誌や週刊誌などでは、「韓国の沈没」や「(開かれる)破滅の門」などと書かれているが、日本にとってそれでは困る。
 ここは踏ん張って、韓国には近代化した国家への再生を図ってもらいたい。

 日韓は宿命的な隣邦であり、共存・繁栄しなければならない関係にある。
 いがみ合いは百害あって一利なしである。

Premium Information

森 清勇 Seiyu Mori星槎大学非常勤講師
防衛大学校卒(6期、陸上)、京都大学大学院修士課程修了(核融合専攻)、米陸軍武器学校上級課程留学、陸幕調査部調査3班長、方面武器隊長(東北方面隊)、北海道地区補給処副処長、平成6年陸将補で退官。
その後、(株)日本製鋼所顧問で10年間勤務、現在・星槎大学非常勤講師。
また、平成22(2010)年3月までの5年間にわたり、全国防衛協会連合会事務局で機関紙「防衛協会会報」を編集(『会報紹介(リンク)』中の「ニュースの目」「この人に聞く」「内外の動き」「図書紹介」など執筆) 。
著書:『外務省の大罪』(単著)、『「国を守る」とはどういうことか』(共著)



朝鮮日報 記事入力 : 2014/05/15 10:54
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/05/15/2014051501307.html

緊張感ゼロ・マニュアル無視、サムスン避難訓練で課題山積
全国250の事業所で一斉に実施、参加率はほぼ100%
非常階段ではなくエレベーターを利用した人が多数


● 14日午後2時40分、ソウル市瑞草区瑞草洞のサムスン電子ビルのロビー。

 3時に予定されていた避難訓練を前に、社員証を首から下げた社員数十人がセキュリティーゲートを通って一斉に出てきた。
 3時が近付くにつれ、その数はさらに多くなり、退勤時間を思わせるほど多くの人が出てきた。
 外国人の社員や役員の姿も目に付いた。
 訓練開始を前に、非常階段ではなくエレベーターを使って先に建物の外に出てきたのだった。

 サムスン・グループは13-14日の2日間にわたり、全国約250の事業所で一斉に避難訓練を行った。
 参加者は12万人を超えた。
 サムスンがグループ全体で避難訓練を行ったのは初めてだ。
 旅客船「セウォル号」沈没事故を受け、緊急事態に対する警戒心を高める目的で訓練を行ったのだ。
 ソウル市江南区の大型コンベンションセンター・COEXと韓国貿易協会が13日に行った避難訓練では、個別のテナントが多いため参加率が低かったが、この日の訓練はサムスンが全社レベルで指示したものだけに、参加率は高かった。

 地上43階建てのサムスン電子本社の建物で行われた訓練は、火災の発生を想定し、全ての社員がエレベーターではなく非常階段を使って屋上や1階に避難した後、消火器の使用法や心肺蘇生術の教育を受けるという内容で、約1時間にわたって行われた。
 サムスン物産やサムスン生命のオフィスまで合わせ、瑞草洞のオフィスに勤務する役員・社員約9000人がほぼ全員参加し、参加率は非常に高かった。
 だが、避難の過程ではマニュアルを守っていない様子があちこちで見受けられた。

 1階のロビーにいる保安要員たちは「指定された場所に素早く避難するように」と緊迫した声で呼び掛け続けた。
 ところが、非常階段を使って降りてきた社員のうち、走っている人は半分程度にすぎなかった。
 社員たちの間では「走らなきゃいけないんじゃない」「ああ、何だか恥ずかしいね」という声が聞こえてきた。

 この日午後、ソウル市の世宗大通りにあるサムスン生命のオフィスと、太平路2街にあるサムスン本館で行われた避難訓練も、似たような状況だった。
 全ての社員が非常ベルに従って避難訓練に参加したものの、具体的な指針を守っていない社員が多かった。
 案内放送では「濡らしたタオルで口をふさぎ、非常階段を使って避難するように」と案内したが、実際にタオルで口をふさいでいた人はほとんどいなかった。
 避難訓練の際に「携帯電話の使用を自制するように」といった指針もあまり守られなかった。
 建物の外に避難した一部の社員は、消火器の使用法や心肺蘇生術の講習には参加せず、近くの喫茶店で時間をつぶしていた。

 サムスンの関係者は「初めての訓練だったため不十分な点もあったと思うが、全社員が実際に避難することで、災害に対する警戒心を高めたという点では意義があった。
 今後は避難訓練を定期的に行うことを検討している」と話した。






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