2014年4月9日水曜日

韓国:理工系人材の海外流出 先進国に比べ深刻

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聯合ニュース 2014年 04月 09日(水)
http://japanese.yonhapnews.co.kr/society/2014/04/09/0800000000AJP20140409001100882.HTML

理工系人材の海外流出 先進国に比べ深刻=韓国

【ソウル聯合ニュース】
 韓国の理工系人材が国内就職を避ける現象が韓国経済に悪影響を及ぼしているとの調査結果が出た。

 スイスの国際経営開発研究所(IMD)は9日、昨年の韓国の頭脳流出指数が4.63だったと発表した。
 IMDが算出した同指数は0に近いほど母国を離れ海外で働く人材が多く国家経済への打撃が大きいことを示し、10に近いほど人材が母国で活動し経済に役立つことを意味する。

 2013年現在、調査対象の60カ国のうち頭脳流出が最も少ない国はノルウェー(8.04)だった。
 次いでスイス(7.6)、スウェーデン(7.51)、フィンランド(7.28)、米国(7.11)の順。
 韓国(4.63)は37位。
 頭脳流出が最も深刻な国はブルガリア(1.68)だった。

 韓国の順位は、
 2011年は59カ国中44位(3.68)、
 2012年は59カ国中49位(3.40)
 2013年は60カ国中37位(4.63)
だった。
 昨年は順位が上昇したものの先進国に大きく及ばない。
 人文・社会科学分野の人材の海外就職は少ないため、同指数は事実上、理工学分野の頭脳流出を意味する。

 IMDの調査結果は、韓国の研究開発(R&D)投資規模が世界で上位クラスに入ることを踏まえるとやや意外ともいえる。
 韓国未来創造科学部によると、
 2012年の韓国の研究開発費用は総額492億ドル(現在のレートで約5兆154億円)であり、
1). 米国(4152億ドル)、
2). 日本(1998億ドル)、
3). 中国(1344億ドル)、
4). ドイツ(1039億ドル)、
5). フランス(624億ドル)
6). 韓国(492億ドル)、
で6位。
 国内総生産(GDP)に対する研究開発費の割合は4.36%でイスラエルに次いで2位だった。

 韓国の現代経済研究院は優秀な人材の海外流出について、高級科学技術分野に人材を迎え入れ定着させる研究環境が整っていないためだと指摘している。

 韓国科学技術企画評価院が韓国内で働く理工学系博士号取得者1478人を対象に調査した結果、37.2%は海外での就職を希望していることが分かった。
 その理由として、「不十分な研究環境」(52.3%)、「子どもの教育」(14.0%)、「海外定着」(7.8%)、「賃金水準」(6.4%)などが挙がった。

 韓国の理工学系博士号取得者の平均年俸(2010年)は6881万ウォン(現在のレートで約670万円)で、米国の平均(9317万ウォン)の74%水準。

 米国立科学財団(NSF)が2008年に米国の博士号取得者を対象に実施した調査によると、
 米国で科学技術保健分野の博士号を取得した韓国人のうち54%が米国に残り、44%が帰国した。

 韓国の科学技術政策研究院が行った理工系人材の流出・流入に関する実態調査の結果によると、
 理工系の大学院生の海外流出は2006年の1万866人から2011年は1万2240人と年平均2.4%増加した。