2014年4月25日金曜日

韓国の威信、地におちる-(8):沈没事故と韓国の内省、 「文化」は過ちを犯した当局者の言い訳にはならない

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2014.04.25(金)  Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40537

フェリー沈没事故と韓国の内省
「文化」は過ちを犯した当局者の言い訳にはならない
(2014年4月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


●韓国南西部珍島沖で、沈没した旅客船の場所を示す浮標(ブイ)のそばで不明者の捜索活動の準備をするダイバーら〔AFPBB News〕

 大きな悲劇に見舞われた瞬間は、しばしば国家的な内省を引き起こす。
 先週の韓国フェリーの惨事もそうで、事故を受け、悲嘆と怒りだけでなく自己嫌悪に近い感情も噴出した。

 「これは安全性に対する韓国社会の無関心がもたらした典型的な人災だ」。
 ある社説はこう断じ、さらに軽蔑するかのように「これは一体どんな国なのか」と問いかけた。
 別の社説は
 「韓国社会を変えなければ、今後どのような悲劇に見舞われるか知る由もない」
と論じた。

 最終的に300人以上の人命(その多くが10代の生徒)を奪うかもしれない事故の原因を解明する試みの中で、韓国人は様々な方向に目を向けている。
 最も厳しい目にさらされている人の中には、船を見捨てたとされるフェリー船長と、先月の航空機失踪後のマレーシア政府と同様に、対応が遅れ、救出活動に関して相反するメッセージを発信した韓国政府が含まれている。

 だが、直接的な原因の枠を超え、韓国人はもっと深く掘り下げ、韓国社会について自問している。
 外から見ると、韓国は、西側の生活水準に徐々に迫り、信じられないほど成功しているように見える。
 だが、多くの韓国人の目から見ると、韓国社会には大きな欠陥があるようにも見える。
 不公平で、過度な教育競争にとらわれ、自殺する傾向が高い社会だ。

 市民の幸福よりも成長や利益、韓国株式会社の名声を重んじる経済モデルを、フェリー事故の最終的な原因の1つに挙げる人もいる。
 一方、多くの外国人評論家が飛びついた話として、韓国の文化そのものを非難した人もいた。
 特に生徒たちがデッキの下にとどまるという致命的な指示に従う原因になったとされる序列に忠実であることが取り沙汰された。

■安全性に関するお粗末な実績

 韓国の安全性に関する実績は実際ひどい。
 致命的な労働災害の数では、韓国は先進国の中では唯一トルコより少ないだけだ。
 1995年には、安上がりに建設されたソウルの百貨店が崩壊し、500人の死者と、さらに1000人近くの負傷者を出した。

 韓国の原子力産業も安全性を危うくした。
 昨年は、偽造部品を使っていることが発覚した。
 3つの原子力発電所は、偽の安全証書付のケーブルを使っていたとして運転が停止された。
 安全文化の欠如は韓国の道路にも及んでおり、飲酒運転はよくあることで、シートベルト着用はそれほど一般的でない。
 韓国の運転免許試験は非常に簡単なため、中国人が免許を取るためにソウルに押し寄せる。

 転覆したセウォル号の場合は、安全手順が救いようのないほど不適切だったように見える。
 乗組員は、はっきり分かる避難手順に一切従っていなかった。
 フェリーの放送システムは適切に機能していなかったし、乗客に与えられた指示は、よくても誤解を招くもので、最悪の場合は命取りになったように見える。

 韓国の労働力をパートタイムに切り替える大きな動き――給料のいいフルタイムの仕事とそれ以外の仕事の間ではっきりと分かれる――を反映して、多くの乗組員は非正規労働者だった。
 このフェリーが運行されていたのは、ひとえに船の耐用年数を20年から30年に延長した法改正のおかげだった。

 積載容量を増やすために2度改造されたこの船は、不安定だったとの見方もある。
 これが本当なら、それは怠慢な検査体制を示唆している。

 多くの韓国人が結論付けたように、こうした話はいずれも、
 『Korea: Impossible Country(韓国: あり得ない国)』
の著者ダニエル・チューダー氏の言葉を借りれば
 「成長がすべてであり、生活の質が犠牲になることもある」社会を浮き彫りにしている。
 政治評論家のシム・ジェフン氏は、自国の 「パリパリ(早く早く)」文化について語る。

 多くの韓国人、特に左派の人は、乏しい社会的セーフティーネット(安全網)や社会の激しい競争的性格を嘆く。
 それは、日本がかつてその高度成長期の1960年代や1970年代に成長に向かって猛スピードで突進する「空虚な豊かさ」と呼んだものと似ている。

 文化的な問題はどうだろうか?
 シム氏は儒教的な序列重視について語る。
 それが救出の取り組みを遅らせ、率先して人命救助にあたる動きを抑制したのではないかとシム氏は考えている。

■問題を文化で説明する危うさ

 マルコム・グラッドウェル氏はその著書『Outliers(邦題: 天才! 成功する人々の法則)』の中で、1997年に大韓航空の墜落事故が起きたのは、副操縦士とエンジニアが機長に迫り来る惨事を警告できないと感じたからだというこじつけとも思えるような主張を展開している。

 この種の文化的説明は、大抵は軽薄すぎるし、ほぼ決まって助けにならない。
 2011年に日本で起きた福島第一原発の惨事に関するある報告書は、「日本文化に根差した慣習」を非難した。
 これは、個人を責任から解放し、明確な安全手順の有用性を過小評価した説明だ。

 チューダー氏は、見境のない文化的判断は自己嫌悪や無気力につながると主張して、それらを拒否している。
 何かが「文化的」だとすれば、次の段階では、それを変えられないものと見なすようになるからだ。

 チューダー氏は正しい。
 韓国人は、実存的な悲嘆の声を上げるのを止め、代わりに実際に成し遂げられるものに集中すべきだ。
 その中には、あまりにも頻繁に人間の幸福よりも成長を優先してきた戦後の価値観を再検証することが確かに含まれるかもしれない。
 だが、もっと簡単にできることもあるかもしれない。
 適切な安全訓練と適切な安全規制を厳格に実施することが、良い出発点になるだろう。

By David Pilling
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レコードチャイナ 配信日時:2014年4月25日 7時53分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=87093&type=0

<韓国船沈没>
法が軽視される韓国の文化、
役人は「公共の安全」を二の次と考える―米紙

 2014年4月23日、米紙ニューヨーク・タイムズは韓国船沈没について、
 「韓国各界は同国が経済成長を求めすぎたばかりに
 安全をおろそかにしたことを反省し、
 海運会社の規則違反を指摘し
 、政府の対応不足を批判している」
と伝えている。
 中国新聞社が伝えた。

 韓国はハイテク産業が発達し、スマートフォン市場では世界を席巻しているが、コンプライアンスは軽視される文化が根付いている。
 韓国の役人は、公共の安全を二の次に考えている。
 韓国では毎年3万1000人を超える人が事故により命を落としているが、うち3000人ほどが学生だ。
 事故による死者数は韓国の1年の死者数全体の12.8%を占め、先進国では最も高い数値となっている。

 全ての事故が安全面を欠いていたとは言えないが、
 韓国では「いかに早く少ないコストで仕事を完了するか」というのが成功の方程式
として考えられており、
 時として、法を守るために多くの時間と資源を費やすことをマイナスととらえられることもある。

 このほか、韓国の政府関係者は、
 「船が仁川を発つ際、3608トンの貨物を積んでいた。
 これは推奨される積載量の実に3倍だ。
 清海鎮海運は遠のく客足の損失を補うため、貨物運搬の収入に頼っている」
と指摘している。


 「悪法も法」か、それとも「愛国無罪」か、社会意識の違いと思われる。
 

レコードチャイナ 配信日時:2014年4月29日 4時10分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=87291&type=0

<韓国船沈没>すべての韓国人が深く反省すべき「いいかげん文化」―中国メディア


●28日、新京報は「“恥の文化”の裏にある“いいかげん文化”」と題する記事を掲載した。写真は中国の事故報道。

 2014年4月28日、新京報は
 「“恥の文化”の裏にある“いいかげん文化”」
と題する記事を掲載した。
 以下はその概要。

 27日、鄭[火共]原(チョン・ホンウォン)首相は韓国船セウォル号の沈没事故を受けて引責辞任を表明した
 。専門家は
 「セウォル号の悲劇は、
 韓国特有の“恥の文化”を反映しているだけでなく、
 その裏にある恐ろしい“いいかげん文化”を暴きだした
と指摘する。

 一部メディアは、鄭首相の辞任表明について、韓国の“恥の文化”と関係していると伝えている。
 上海国際問題研究院の于迎麗(ユー・インリー)氏は
 「政界以外でも、韓国の社会文化のなかで羞恥心が人の心理に及ぼす影響は大きい」
と指摘する。
 鄭首相は韓国国民に対して深く謝罪したが、韓国メディアは
 「これですべての人の理解が得られたわけではない。
 政府が信頼回復できるかどうかには、依然として疑問符が付く」
と報じている。

 34歳の女性は
 「辞任のタイミングは今ではない。
 現在のような状況で辞任するのは、責任逃れにほかならない。
 (辞任は)自分勝手と軟弱さを表している」
と非難し、22歳の男性は
 「政治家は大災害が起きると辞任して幕引きを図る。
 われわれが望んでいるのは、彼らが自分の職責をしっかりと果たすこと」
と述べている。

 ソウル大学社会学部の鄭根埴教授は、
 「韓国人はテキパキと仕事を進めることで短期間に急速な経済成長を遂げることができたが、
 その背後にはスピード重視で『近道をするのは当たり前』といういいかげんさが潜んでいる」
と指摘。「
 乗客を置いて逃げた船長や乗務員だけを処罰して済ませてはならない。
 すべての人が“いいかげん文化”を深く反省すべきだ」としている。



レコードチャイナ 配信日時:2014年5月3日 11時45分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=87544&type=0

客船沈没、地下鉄追突、レジャー施設倒壊…大事故が多発する韓国―台湾紙


●2日、台湾紙アップルデイリーは記事「今年の韓国はアクシデント連発=レジャー村倒壊、客船沈没」を掲載した。写真はソウル市内に設置されたセウォル号沈没事故の街頭追悼所。

 2014年5月2日、台湾紙アップルデイリーは記事
 「今年の韓国はアクシデント連発=レジャー村倒壊、客船沈没」
を掲載した。

 2日、ソウルの地下鉄で追突事故が起きた。
 幸いにも死者はでなかったが、238人が負傷する事態となった。
 2014年の韓国ではこうした大事故が多発している。

 例えば2月17日、慶州市のリゾート施設の体育館が倒壊した。
 釜山外国語大の新入生歓迎行事が開催されており、学生ら10人が死亡。
 100人が負傷する惨事となった。
 大雪で屋根が重みに耐えられなかったことが原因とみられる。

 そして4月16日には客船セウォル号の沈没事故が起きた。
 2日現在226人の死亡が確認されている。
 なお76人が不明。







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