2014年2月6日木曜日

南大門復元、疑惑の全容を明らかにせよ:史跡復元はお金になる!

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●消失前


●消失時


●復元


朝鮮日報 記事入力 : 2014/02/06 10:02
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/02/06/2014020601173.html

【社説】南大門復元、疑惑の全容を明らかにせよ

 文化財庁は、2008年放火による火災で焼失した崇礼門(南大門)の復元工事開始に先立ち「崇礼門復興基本計画」を発表し、その中で「復元に必要なくぎや鉄器などを伝統的な方法で製作する」とした上で、現場に「崇礼門テジャン間(鍛冶屋の作業場)」を立ち上げた。
 テジャン間には鉄を焼くかまど、かまどに空気を吹き入れるふいご、焼かれた鉄を鍛える際に下に敷く金床などが持ち込まれた。
 現場を一見すると、確かに朝鮮王朝時代の画家・金弘道(キム・ホンド)が描いた風俗画に出てくるようなテジャン間の様子そのままだった。
 作業場で伝統的な白い木綿の作業着を着用した作業員が汗を流し、かまどの真っ赤な火の中から鉄を取り出してそれを鍛える様子も、文化財庁によってメディアに公開された。
 その様子を見た国民は誰もが
 「崇礼門が本来の姿を取り戻すようだ」
と期待し、国宝第1号が突然の放火によって焼失した衝撃と悲しみから立ち直ろうとしていた。

 ところがこれらが全て芝居だったことが最近になって明らかになった。
 崇礼門復元団長を務めた文化財庁のチェ・ジョンドク文化財政策局長が4日に刊行した著書の中で、工事の実態を暴露したのだ。
 その中には例えば
 「崇礼門テジャン間で作られたくぎは、使うとすぐ裂けてしまうような不良品で実際は何の役にも立たなかった」
といった内容もあった。
 実際の工事にはつい先日工場で作られたばかりの鉄器や、15年前の景福宮慶会楼の工事の際に出てきた朝鮮王朝時代のくぎなどが一部で使用されていたという。
 ところが文化財庁は復元工事が終了するまで
 「テジャン間で伝統的な方法により作られた」
と虚偽の説明をしていたのだ。

 文化財庁は当初
 「崇礼門復元の際に使用する木材は、現場でのこぎりやのみを使う伝統的な方法で形を整えた」
と説明していたが、チェ局長によるとこれもやはり事実とは異なっていた。
 現場で使われていた木材の多くは、現場の作業員が自分の経営する木材加工工場で機械を使って加工していたものばかりだったという。
 要するに文化財庁はずさんな管理により崇礼門を火災で焼失させただけでなく、復元工事においても国民を欺いていたわけだ。

 崇礼門復元工事には250億ウォン(約24億円)の予算が投入され、延べ3万5000人の作業員が現場で作業に当たった。
 ところが完成から1年もたたないうちに丹青(塗装)が剥がれ落ち、柱に亀裂が生じ始めた。
 復元に使われた木材の一部が海外からの輸入品であるといったさまざまな疑惑が持ち上がる中、調査に加わっていた大学教授が後に自殺するという事態まで発生した。

 伝統的な技法など実際は残っていないにもかかわらず、「伝統的な方法で文化財を復元する」と公言するのは、国民を欺く行為に他ならない。
 復元工事を行うに当たっては伝統的な方法にばかりこだわるよりも、伝統的な方法を再解釈し、これを応用して今の時代の考え方や技術を加味した方がはるかに賢明であるし、また実際にそうすべきだろう。

 文化財はその存在自体が歴史の記録だ。
 たとえ火災に遭って後に復元された文化財であっても、それは痛みを乗り越え自らの内にその痛みを秘めた歴史的な財産だ。
 その財産にわずかでも虚偽があったとすれば、誰がその文化財に愛情を抱き、保存し、後の世代に引き継がせようとするだろうか。
 政府は今からでも崇礼門復元に関する全ての疑惑を詳しく検証し、その結果を公表して復元工事に関連する正確な記録を残すように努めなければならない。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/02/06 10:04
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/02/06/2014020601184.html

暴露本を出版した局長の役職を剥奪=南大門手抜き工事疑惑

 文化財庁は5日、崇礼門(南大門)復元団長を務めた文化財庁のチェ・ジョンドク文化財政策局長を6日付で職位解除(公務員の身分を維持した状態での役職の剥奪)したと発表した。
 チェ局長は4日、崇礼門復元過程の全過程を暴露した『崇礼門再建-崇礼門復元団長、5年間の現場記録』(トルベゲ社)を刊行したが、これが大きな波紋を呼んでいた。
 韓国政府関係者は
 「監査院による監査が行われている微妙な時期に、監査を受ける立場にいる主要な人物が不適切な書籍を刊行し、問題を起こした。
 今回はその責任を問うたものと聞いている」
とコメントした。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/02/15 12:08
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/02/15/2014021500915.html

南大門手抜き工事で収賄か、文化財庁職員ら事情聴取

 崇礼門(南大門)や光化門の復元工事をめぐる手抜き疑惑について捜査を行っている警察は、文化財庁など関連機関の公務員らが、文化財復元関連業者から賄賂を受け取ったとの供述を得て、公務員たちに対する事情聴取を行っていることが、14日までに分かった。
 警察は5級(課長補佐級、日本の国家公務員第1種に相当)以上の幹部クラスを含め、名前が挙がっている公務員たちに対し、順次出頭を求めているという。

 警察庁知能犯罪捜査隊は最近、文化財の復元を専門とする中堅建設会社の代表から「文化財庁などの数人の公務員(OBを含む)に対し、便宜を図るよう求め、数百万ウォン(100万ウォン=約9万6000円)相当の金品を提供した」との供述を得た。
 業者が名前を挙げた公務員たちの大部分は文化財庁に所属しており、警察は今後、対質尋問(事件当事者の供述が一致しない場合、両者を相対させて言い分を聞く形の尋問)などを通じ、供述内容について確認していく方針だ。
 警察の関係者は
 「今回の捜査対象になっている事件が、崇礼門や光化門の復元工事での手抜きと関連があるか否かについても調べを進める方針だ」
と語った。